相続時精算課税制度について


はじめに

相続時精算課税という制度があります。

簡単にいうと「相続が始まる前に相続財産をもらってしまう」制度です。

(1)  相続時精算課税制度とは

贈与時に贈与された財産に対する贈与税を払い、その財産を贈与した人が亡くなった時に、その人の相続財産とその贈与した財産を合算して相続税を計算し、すでに支払った贈与税については控除して納税する制度です。暦年課税の贈与制度との選択適用になります。(一度この制度の適用を受けると取り消しはできません。)

非課税枠は2,500万円、税率は一律20%になります。通常の贈与における年間の基礎控除額である110万円は適用できません。

(2)  適用要件

・      贈与者(あげる人)・・・贈与した年の1月1日において60歳以上の親もしくは祖父母

・      受贈者(もらう人)・・・贈与した年の1月1日において20歳以上の子または孫

・  贈与税の申告をすること(相続時精算課税制度選択届出書を添付)

(3)不動産の贈与を受ける場合の具体的手続き

①贈与物件の固定資産税の納税通知書を確認

毎年4月ころに市役所から郵送されます。

②贈与財産の評価額を試算

贈与財産の評価額を事前に試算します。(正確な評価ができるのは8月になります)

③贈与を実行、不動産登記手続き

④贈与税の申告(翌年3月15日まで)

(4)相続を放棄した場合

仮に、相続時精算課税の適用を受けた者が相続を放棄をした場合であっても、その者も相続税の納税義務者に含まれ(相続税法21条の16)、したがって、相続税額が算出され納付することになります。

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