印紙税という税金があります。手形や不動産の譲渡契約書や領収書など一定の書類や有価証券(課税文書)をつくったら印紙を貼って納めなきゃいけない税金です。書面を作成すると課税されます。メールや電子での契約なら不要で、紙で書面を作成したときに納めなければいけない税金です。
いっけん分かったような気がするが、実務では悩みの種なのがこの印紙税という代物です。印紙税の課税対象となる否かは「課税物件表」という一覧表で判断するのですが、実際の契約書は多種多様で、判断が実に難しいのです。
調査の現場でも、よく揉めます。税務署員もよく分かっていなかったりします。だいたい、この複雑な経済下で多種多様にある書類のうち一定の書類や有価証券(課税文書)だけを課税しようとするのに無理があります。
なんで、こんな税金ができたのか調べてみたのですが、明治6年に、当時の租税が主として農民の負担にかかっていたので、商工業者等を含め広く一般人に負担させる税を設けるために、受取諸証文印紙貼用心得方規則により印紙税が課されるようになったのが、その最初でだそうです。
明治6年というと今から136年も昔の話です。なるほど、その頃なら経済も商取引もいまほど複雑ではなく、課税にも混乱がなかったかも知れません。しかし・・・シーラカンスのような税金ですね。
こうして税金の種類は増える一方で、時代とともに複雑怪奇になってしまう訳です。